今やコメディー・アイコンとも呼ばれているダヨ・ウォンは、多彩な俳優であり、監督でもある。90年代頭にスタンダップ・コメディアンとして活躍した後、テレビドラマの他、50作品以上もの映画に出演している。主な出演作は、『ぼくたちはここにいる』(1994年)、『香港ラブストーリー 恋のラブ・アタック作戦』(1995年)、『Let’s Sing Along(英題)』(2001年)、2018年の香港内興行成績1位に輝いた『Agent Mr. Chan(英題)』(2018年)、コメディー映画として史上初めて香港内だけで興行成績7000万ドルを突破した『6人の食卓』(2022年)などがある。
2002年に、監督デビューを果たしたコメディー映画『Fighting to Survive(英題)』では、製作と出演と脚本を担当した。同じく脚本と出演を務めた2作目『The Grand Grandmaster』(2020年)では、奇跡的な興行成績を収める。旧正月に公開されたのち、大ヒットを記録し、2020年香港映画の興行成績一位を獲得した。
ツェ・クワンホー(カム・ユンサン役)
ベテラン俳優のツェ・クワンホーは、映画界に進出する前は、舞台俳優として活躍していた。1994年に上演された『The Mad Phoenix(英題)』で一躍有名になったのち、同名で映画化され、Golden Horse Awards(金馬奨)で最優秀男優賞を受賞した。さらに、『Ordinary Heroes(英題)』(1999年)の演技で、Hong Kong Film Awards(香港電影金像奨)の最優秀助演男優賞にノミネートされた。
最近出演した『Drifting (英題)』(2021年)で再注目をされ、Hong Kong Film Awards(香港電影金像奨)、Golden Horse Awards(金馬奨)、Asian Film Awardsの3つの映画賞で最優秀助演男優賞にノミネートされている。
ルイーズ・ウォン(ツァン・キッイ役)
ルイーズ・ウォンは、17歳の時にElite Model Look Asiaでの優勝と、 KMA (韓国モデル協会)アジア・モデル・スター賞の受賞を経て、モデルとして活躍。以来、Elite Model Managementに所属し、グッチ、サルヴァトーレ・フェラガモ、ヴィヴィアン・ウエストウッド、ダイアン・フォン・ファステンバーグなどの国際的なラグジュアリー・ブランドのランウェイに登場。2021年に公開された『アニタ:ディレクターズカット』では、香港ポップ音楽のレジェンド、アニタ・ムイを演じ、映画デビューを果たす。彼女の演技は各方面で絶賛され、Hong Kong Film Awards(香港電影金像奨)で、最優秀女優賞と最優秀新人賞2部門にノミネートされた。
フィッシュ・リウ(チュン・ニンワー役)
マレーシア生まれのフィッシュ・リウは、最も引っ張りだこの新人女優である。『Doomsday Party(英題)』(2014年)の演技で、Hong Kong Film Awards(香港電影金像奨)の最優秀新人賞にノミネートされている。その3年後、『Sisterhood(英題)』(2017年)に出演した際には、Hong Kong Film Awards(香港電影金像奨)、Chinese Film Media Awards、Asia-Pacific Film Festivalで最優秀助演女優賞を受賞し、大阪アジアン映画祭では「来るべき才能賞」を受賞した。リウにとって、2021年は飛躍の年となった。『アニタ:ディレクターズカット』と、『リンボー』での演技が高く評価され、Hong Kong Film Awards(香港電影金像奨)にて、両作品の演技で最優秀助演女優賞にノミネートされた。
マイケル・ウォン(トン・ワイクオ役)
ニューヨークで生まれ育ったマイケル・ウォンは、香港の映画界で多彩な俳優として活躍している。広東語が流暢ではなく、武術も演技も訓練を受けたことがないアウトサイダーだ。『ファイナル・オプション/香港最終指令』(1994年)では、警察官役を演じ、観客に強烈な印象を残した。『FIRST OPTION 飛虎』(1996年)では、Hong Kong Film Awards(香港電影金像奨)と、Golden Horse Awards(金馬奨)で最優秀男優賞を受賞。最近の主な出演作には、『狼たちのノクターン<夜想曲>』(2012年)、『Cold War(英題)』(2012年)、『ファイヤー・ストーム』(2013年)、『トランスフォーマー/ロストエイジ』(2014年)、『Zの嵐(2014年)』、『Delete My Love(英題)』(2014年』、『スキップ・トレース』(2016年)、『追龍 2』(2019年)、『トリプル・スレット』(2019年)などがある。
ホー・カイワ("御曹司"役)
一風変わったボーイズ・グループERRORのメンバーとして知られる前は、ディー・ホーとしてエンタメ業界で活躍していた。オンライン上でギャグやコントなどを投稿し、コアなファンを獲得。2018年には、新人発掘番組「Good Night Show(原題)」のコンテストに出場。決勝戦出場は果たせなかったものの、彼の笑いのセンスは高く評価され、『Hong Kong West Side Stories SP(英題)』(2021年)、『The Way We Keep Dancing(英題)』(2021年)、『アニタ:ディレクターズカット』(2021年)の重要な役に抜擢される。
STAFF
監督/脚本:ジャック・ン
Hong Kong Film Awards (香港電影金像奨)に過去4度ノミネートされているジャック・ンは、ダンテ・ラム監督作品の常連であり、優れたアクション・スリラー映画の脚本を何作も執筆している。その主な例として、『ビースト・ストーカー/証人』(2008年)、『スナイパー:』(2009年)、 『コンシェンス/裏切りの炎』(2010年)、『 密告・者』(2010年)、『ブラッド・ウェポン』(2012年) 、 『激戦 ハート・オブ・ファイト』(2013年)などがある。また、大ヒットアクション映画『SPL/狼よ静かに死ね』(2005年)では、ウィルソン・イップやセット・カムイェンと共に脚本を共同執筆した。最近では、『コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義』(2016年)、大ヒット・ファンタジー映画『モンスター・ハント 王の末裔』(2018年)、『アニタ:ディレクターズカット』(2021年)などの映画で脚本家として参加している。本作で長編監督デビューを果たした。
製作:ビル・コン
ビル・コンは、アジアで最も影響力のある映画プロデューサーのひとりである。これまで、チャン・イーモウ、アン・リー、ユエン・ウーピンなどをはじめ、国際的に活躍する映像作家の数々とタッグを組んできた。武術を大いに駆使した長編大作『グリーン・デスティニー(2000年)』は、アカデミー賞4部門とゴールデングローブ賞2部門で受賞を果たした。
他にも、『HERO』(2002年)、『LOVERS』(2004年)、『SPIRIT スピリット』(2006年)、『ラスト、コーション』(2007年)、『コールド・ウォー』シリーズ、大ヒット映画シリーズ『モンスター・ハント』、そして、興行的に大成功をし、Hong Kong Film Awards (香港電影金像奨)で12部門にノミネートされた『アニタ』(2021年)などを手掛けている。
製作:アイヴィ・ホー
アイヴィ・ホーは、Hong Kong Int’l Film Festival Society (香港国際映画祭協会)で副理事を務め、Asian Film Awards とHong Kong-Asia Film Financing Forumを立ち上げた。Irresistible Filmsに入社する前は、Emperor Motion Picturesのマーケティング部長を務め、製作費が高い香港映画のマーケティング戦略を監修。彼女が担当した作品には、『The Message(英題)』(2009年)、『ラスト・ソルジャー』(2010年)、『密告・者』(2010年)、『さらば復讐の狼たちよ』(2010年)、『新少林寺/SHAOLIN』(2011年)などがある。Irresistible Filmsのマネージメント・ディレクターとして、会社運営の監修だけでなく、企画の開発やマネジメントも行っている。Irresistible Filmsが製作を担った作品には、『メモリー First Time』(2012年)、『狼たちのノクターン<夜想曲>』(2012年)、『Cold War 1』(2012年)、『コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義』(2016年)、『Temporary Family(英題)』(2014年)、『ライズ・オブ・ザ・レジェンド ~炎虎乱舞~』(2014年)、『The Bodyguard(英題)』(2016年)、近年大ヒットした映画『アニタ』(2021年)などがある。